【自律神経失調】右後頭部と目の奥に頭痛

頭痛は比較的多い相談になります。
しかし、原因は様々で、同じような症状でも、同じアプローチでは効果が出ないことが多いので、まずはどこに原因があるのか調べる必要があります。

※この症例で行っているアプローチは、この方の問診内容や検査結果をもとに考えて行った方法です。他の人に同じことをしても必ず効果が出るわけではありません。効果には個人差があり、アプローチ方法も個別に合ったものを行う必要があります。また問診票を見返しながら記載していますので、多少の記憶違いがある場合があります。

【症例:30代男性】
[主訴]
2年前から右の後頭部にガンガンするような頭痛が起きるようなった。ひどくなると右の眼の奥も痛くなってくる。
脳神経外科でストレス性と言われる。
主に緊張した時に起こりやすい。
午前中より夕方に起こることが多い。
ここ最近、一段と酷くなった。

[主訴以外の症状]
左側の太ももが張りやすい。
右の脇に汗をかきやすい。
去年、逆流性食道炎を患った。
残尿感。

[本人の希望]
薬を飲まなくても過ごせるようになりたい。

[所見]()内は問題が推測できる場所。重要な情報に◎
・左目と比べて、右目の瞳孔が開いている(自律神経)◎
・左と比べて、右の首の後ろの感覚が過敏(首、後頭神経)◎
・左と比べて、右の額の感覚が過敏(脳幹、三叉神経)◎
・右の手と脇に汗をかいている(自律神経)
・頚椎2番が右に捻じれている(首)
・左の太ももの筋力が低下しているが、首を左に向けると筋力が上がる(首、小脳、末梢神経)
・逆流性食道炎(自律神経)

[施術]
後頭部の筋肉を緩めてから頚椎2番を矯正→太ももの筋力が上がる。首の後ろの感覚が正常に戻る。
背骨全体の柔軟性を付ける。
首のトレーニングと背骨の柔軟性を付けるストレッチを毎日行うように指導。

7日後
頭痛が6割軽減。前回の施術の後から薬は飲んでいない。

15日後
頭痛が8割以上軽減。調子が良い。左の太ももの筋肉も張らなくなった。

さらに3週間後
頭痛は起きていない。

その後も3週間~4週間ごとにメンテナンスに来院していただいているが、頭痛は起きていない。

[考察]
所見から、首の問題が大きく関わっている可能性が推測できました。首の捻じれによって、首から後頭部に出ている神経(後頭神経)が圧迫されて後頭部に頭痛を出すことがあります。この神経は頭のてっぺん辺りで、顔の感覚の三叉神経と繋がり、額や目の周辺に痛みを出すことがあります(大後頭三叉神経痛)。

ストレスや緊張状態になると、無意識に肩や首に力が入りやすいので、それが首の歪みを悪化させ、後頭神経の異常による頭痛と自律神経の乱れを誘発していたと考えられます。それを防ぐために、首の筋力トレーニングと、首ばかりに負担がかからないように背骨のストレッチを指導しました。

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