【腰痛】デスクワークが多く慢性的に腰が痛い

デスクワークをしている人がなりやすい慢性的な腰痛。
腰や骨盤の歪みを矯正して治しても、数日もすればまた腰が痛くなってしまうというのはよくある話です。

このように、長時間同じ姿勢で動かないことによって起こる問題には、筋肉や骨格の問題だけではなく頭頂葉にある一次体性感覚野の問題を疑う必要があります。

脳
ホムンクルス

※この症例で行っているアプローチは、この方の問診内容や検査結果をもとに考えて行った方法です。他の人に同じことをしても必ず効果が出るわけではありません。効果には個人差があり、アプローチ方法も個別に合ったものを行う必要があります。また問診票を見返しながら記載していますので、多少の記憶違いがある場合があります。

【症例:30代女性】
10年くらい前から慢性的な腰痛があり、長時間の座り仕事がきつい。腰全体が痛いが、右の骨盤の骨の辺り(図の赤い範囲)に強い痛みが出ることがある。月に2回ほど整体やマッサージを受けたりしているが、2,3日するとまた腰が痛くなってします。この繰り返しがずっと続いている。

[主訴以外の症状]
肩こり
すぐ疲れる

[本人の希望]
長時間座っても腰が痛くならないようになればいい。

[所見]()内は問題が推測できる場所。重要な情報に◎
・腰の骨のカーブが減少して、関節が固まっている。(腰、骨盤)
・腰を反ると腰が痛い。(腰、腰を屈曲させる筋肉の拘縮)
・お尻の筋力が弱い。(殿筋、運動野)
・左の骨盤の関節が固まって動いていない。(仙腸関節)
・腰の図が書かれた用紙を渡し、私が患者の腰の部分を触れて「図のどの辺りか」と聞くと、私が触れている場所と、本人が感じている場所に大きなずれがあることが分かる。(一次体性感覚野)◎
・「骨盤を前後傾するように動かしてください」というと、意識的に骨盤を動かすことが出来ない。(感覚野、運動野)◎

[施術]
殿筋、腰周辺の筋肉、腸腰筋などを緩めてから、固まって動かなくなっている腰の骨や骨盤を調整して柔軟性をつける。
モーションガイダンスを使って意識的に骨盤を動かすトレーニングを行う。(写真は頭につけていますが、これを腰につけて行いました。)

平衡感覚訓練

お尻の筋肉のトレーニングを行う。
骨盤を意識的に動かすトレーニング、お尻のトレーニングを1日2回、週に4日以上行うように指導。

[7日後]
前回の後、2日間は腰に痛みがほとんどなく、調子が良かった。3日目あたりから少し腰が気になるようになってきた。それでも以前のような辛さまではいかない。この日の施術も、初回と同様に行う。

[17日後]
以前より、長時間座っていても腰が痛くならなくなった。腰のトレーニングをやっておくと、痛みが起きにくいのが実感できると言う。

[考察]
いろいろな治療院で施術を受けていることから、問題の原因は筋肉や骨格ではなく、脳に原因がある可能性を考えました。そこで、腰の感覚の検査や、意識的に腰や骨盤を動かす検査しました。結果、問題が起きていたので、脳へのアプローチを主に行い、腰痛の改善に取り組んでもらいました。

腰を意識的に動かせないということは、普段から腰の周辺の筋肉や関節が動いていないということです。動いていないと、その周辺では血流が悪くなり、老廃物がたまりコリや痛みを引き起こします。今まで、整体やマッサージを受けることで、一時的に楽になっていたのは、血流が良くなって老廃物が除去されたからです。しかし、それでは腰を動かせるようにはなっておらず、時間が経つと再び血流が悪くなり痛みを出す、ということをずっと繰り返していたと考えられます。

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