側弯症はストレッチや骨格矯正だけでは治らない理由

今回の記事の内容は側弯症を治す際にとても大事なことです。それはすごく大事なんですが、治療家も含めて知らない人がたくさんいます。だから、手術以外で治せる側弯の人も、それをやっていなかったことによって治らないということもあります。

側弯症はひどくなると手術が必要になりますが、そこまでではない場合の治し方といえば、装具を装着したり、ストレッチをしたり、あるいは接骨院や整体院で骨格を整えてもらったりする方法がありますよね。ですが、それでも全然良くならない人や、装具やストレッチや骨格の調整を受けて、一時的に良くなったんだけど、それらを止めたら戻ってしまったという人に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

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側弯症の人は側弯する前から体が傾いている

背骨が側弯している人は、どういう姿勢になっているかというと、体が傾いてしまっていますよね。この傾く理由は、筋肉の緊張のバランスが崩れていることだったり、骨格が歪んでしまっていることが原因だと思っていませんか?もちろんそれもあります。ですがそれだけではありません。

例えば、自分はまっすぐ立っているつもりでも、人から、曲がっているという風に言われたことがある人いませんか。でも自分では真っすぐ立っているつもり。もし、こういう状態が長く続いたら、筋肉のバランスが崩れてきたり、骨格が歪んでしまうと思いませんか?この場合、どこに問題があるかというと平衡感覚に問題が起きています。

この平衡感覚は、自分の体の位置や動いている方向の感覚のことです。この感覚で重要な器官が三半規管です。みなさん聞いたことありますよね。三半規管と言うのは耳の奥にあって、頭の角度や回転している方向を感知しています。この三半規管は、頭の前方への傾きを感知している前半期間、後方への傾きを感知している後半期間、横の回転を感知している外側半規管というのが左右それぞれにあります。

三半規管
三半規管

この三半規管が左右でバランスを取っていれば、頭を真っすぐに保つことが出来ます。ですが、もし、右側の前半規管の活動が強くなると頭が右の前に傾いてきます。しかし、自分でこの感覚の異常に気付くことは簡単ではありません。しかし、体の傾きが大きくなりすぎてしまうと、目で見ている風景も傾いてきてしまうので、そこで体の歪みを認識します。

頭が傾きだすと、その頭の重さに引っ張られて背骨の腰の部分が曲がってきます。そして、その状態が長く続くと腰の側弯が出来上がります。先ほど言ったように傾きが大きくなると、視界が傾いてきて体の歪みを自覚するので、今度は胸の部分の背骨を反対側に曲げて、視線の水平を保とうとします。これで胸の部分の側弯が出来上がります。

これは、マウスやカエルを使った実験で、実際に起こることが確認されています。

このように、側弯が起こる原因は筋肉や骨格の問題だけでなく、三半規管の左右のバランスの異常によっても起こります。これは、最初は側弯の原因が筋肉や骨格の歪みで起きていた場合でも、長期にわたると三半規管のバランスが崩れてしまいます。この三半規管のバランスが崩れたまま、筋肉や骨格の歪みを治しても、脳はその状態を逆に異常と感じ取ります。それは三半規管から伝わってくる情報と、体の位置にギャップがあるからです。そうすると、また頭が傾いてきて、同じように背骨が側弯してしまいます。

だから、装具やストレッチ、骨格の矯正で一時的に側弯が良くなっても、時間が経つとまた曲がってきてしまいます。それを起こさせないためには、三半規管から脳に正しい情報を伝えるようにしてあげなければなりません。

三半規管の働きをチェック

実際に三半規管の働きに左右差がないかチェックしてみましょう。

まず、ご自身の腰の部分がどちらに出っ張っているか確認してください。確認したら、少し広い場所で立ってください。そして、目をつぶって、その場で足踏みを50歩してみてください。50歩足踏みしたら、目を開けで、自分の位置を確認してみてください。スタートした位置から回転していたら、その回転した方向の三半規管の働きが低下している可能性があります。その方向と、腰の出っ張っている方向が同じであれば三半規管の問題が側弯に影響している可能性が高くなります。

例えば、腰の骨が左側に出っ張っているとします。それで目をつぶって足踏みしたら、左側に回転してしまいます。腰の骨が右側に出っ張っていたら右側に回転。この場合、側弯の方向と三半規管の問題が一致しています。一致していたら三半規管の問題も改善しておかなければ、側弯症を根本的に治すことはできません。

側弯症で悩んでいて、なかなか良くならない人はぜひチェックしてみてください。対策の一例を動画で紹介していますので、この記事の上の方にある動画をご覧ください。

側弯症はストレッチや骨格矯正だけでは治らない理由” に対して1件のコメントがあります。

  1. 岡本 より:

    はじめまして。側弯とストレートネックがあり自律神経緊張で悩んでいます。
    単純にストレッチのみでは治らないと私も思います。
    お伺いして治療をして頂けると幸いです。よろしくお願いいたします。

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