尾てい骨の痛み、お尻の痛み、肛門の痛み

肛門や尾てい骨周辺の痛みの相談を受けることが時々あります。ただ、デリケートな部分なので、実際には肛門、尾てい骨周辺の痛みを相談できず、悩んでいる人はもっと多いのではないでしょうか。場合によっては内臓の問題の可能性もあります。

肛門痛

痛みの原因

痛みの原因として考えられるのは、筋肉などの軟部組織、骨盤の歪み、内臓、自律神経の乱れなどが考えられます。

尻もちをついた、ぶつけた、など、原因が明らかであれば、病院へ行って診てもらうと言う判断もし易いと思います。しかし、意外と思い当たる原因は無く、最初のうちは違和感程度だったものが、我慢できない位の痛みまで発展してしまうことがあります。

それで病院へ行っても、骨に異常が見つからなかったり、中には「腰の神経が圧迫されているのが原因」と言われることもあります。ですが、腰神経の障害の場合、腰の下部やお尻の側面から脚に痛みやしびれが出ることはありますが、尾てい骨周辺に痛みが出ることはありません。この部分の感覚は腰神経ではなく仙骨神経の支配になります。

筋肉と骨盤の歪み

ほとんどの場合は筋肉などの軟部組織の問題による痛みです。長時間座っている、脚を組む、長時間の前傾(前かがみ)姿勢などで筋肉が疲労します。肛門や尾てい骨周辺に痛みを出す筋肉は、殿筋群(特に大殿筋)、梨状筋、骨盤底筋群(図無し)などです。

臀部筋肉
殿部痛

特発性肛門痛(肛門挙筋症候群)

尾てい骨と言うよりは、肛門やさらに内部の直腸辺りの痛み。夜、寝ている時に発症することが多く、10分から30分ほどすると治まる痛み。便意があるように感じトイレに行っても便は出ない。こんな症状で悩まされている人も意外と多いようです。

このような場合、特発性肛門痛の可能性があります。ハッキリした原因は分かっていませんが、肛門括約筋の痙攣による痛みと言うのが有力な説です。痙攣とは、無意識的に筋肉が激しく収縮することを言い、痙攣の仕方には種類があり、ピクピク筋肉が動いたり、足がつるというのも痙攣です。特発性肛門痛の場合、「足がつる」と同じような現象が肛門括約筋で起こっているのではないでしょうか。

恥ずかしながら私もこれを5年位患っていました。私の場合、床についてから1,2時間すると痛みで目が覚めると言う感じでした。肛門と言うかそれより内部の強い痛みで、ジッとしていることが出来ません。起き上がったり、座ったり、トイレへも行ったりして見るのですが便が出る訳ではありません。そうこうしている内に、痛みが落ち着いてきてやっと寝られるという感じでした。症状が出るような時は、長時間座っていた日に多かったように思います。

これについては動画にまとめましたので、興味のある人はこちらをご覧ください。私が行ったエクササイズについても解説しています。

骨盤の歪み

尾骨周辺のお尻の痛みを訴える人の骨盤の状態を見ると、歪みがひどいことが往々にしてあります。骨盤の歪みは当然そこに着いている筋肉の負担になります。歪みが大きい場合、まずはその歪みから調整する必要があります。この場合、症状の改善にはある程度の時間が必要になります。

骨盤の歪み解消には「お尻歩き」

自宅で出来る、効果的な骨盤の歪みの解消方法は「お尻歩き」です。やり方はネットで検索すると動画などが見つかると思いますので調べてみてください。お尻歩きをする際の注意点ですが、頭を左右へあまり振らないようにしましょう。肩を前後に振るのはOK。

お尻歩きの最中に痛みが強くなる場合は、回数や歩く距離を短くするか、それでも痛みが出るなら控えて、まずはお尻の筋肉のストレッチを優先させましょう。

内臓の問題

尾てい骨周辺のお尻の痛みは内臓の異常によっても起こります。尾てい骨周辺に痛みを出す臓器は膀胱です。ちなみに、腰部やお尻の側面に痛みを出す臓器は腎臓です。どちらもお腹側に痛みを出すこともあります。

見分け方として内臓の問題による関連痛の場合、動作や姿勢によって症状が軽くなったり悪化したりすることはありません。ただし、例外もあるかもしれないので、整形外科の検査で異常が無くて、それでも症状が長く続く場合は少し疑ってみましょう。

自律神経の乱れ

これは私の臨床経験の話になります。実際に当院に相談に来た方で、上記で説明したものに当てはまりませんでした。

その方々は、次のような症状を訴えていました。

痛みが出る時間帯は朝昼晩関係ない。痛みの出方は、刺すような鋭い痛みで、そのあと間欠的に襲ってくる。そして痛みの余韻がしばらく続くと。あるいはピリピリするような痛みだったり、中には痛みの出方は肛門挙筋症候群と似ていて、鈍くて強い痛みを訴える人もいましたが、この方は日中ずっと痛い、というようなことを仰ってました。

この方たちに共通していた特徴があります。

  • やせ型
  • 胃腸に何らかのトラブルを抱えている(便秘や下痢、過敏性腸症候群)
  • 散瞳(瞳孔が開いている。そのため眩しく感じる)
  • 睡眠の質に問題がある。寝つきが悪い、何度も目が覚める
  • 強いストレスを受けた経験がある
  • 呼吸が浅い、腹式呼吸ができない

これらは自律神経の乱れの症状です。そのため自律神経が症状に関わっていると考えました。

直腸は、交感神経と副交感神経の両方が支配しています、副交感神経が蠕動運動を行い、交感神経がその蠕動運動を抑制します。また、内肛門括約筋という肛門を閉じる筋肉は交感神経が支配しています。肛門括約筋は2種類あって、内外があります。このうち内が交感神経支配です。外肛門括約筋は随意筋と言って、意識的にコントロールできる筋肉なので、自律神経支配ではありません。これはそれぞれどういう働きがあるかというと、副交感神経が優位になることで内肛門括約筋が緩みます。

つまり直腸と内肛門括約筋は自律神経が支配しているので、ここに何らかの異常が起きて、痛みを引き起こしているのではないかと考えています。もちろん科学的な根拠やエビデンスがあるのではなく、生理学をもとにした私の推論なので、間違っているかもしれません。ただ、この方たちは自律神経にアプローチすることで、少なからず症状の緩和などがあったので、全くの空論ではないと思います。

まとめ

肛門や尾てい骨周辺の痛みは、なかなか相談できずにいる人も多いと思います。ここで書いたことが少しでも参考になれば幸いです。

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