【自律神経失調】1年中、頭や顔の汗が止まらない

汗の悩みの場合、特に顔や頭に大量に汗をかくことで悩んでいる人が多いと思います。
幼少期からの場合は、体質的なものもあり、改善することは難しいと思いますが、ある時を境にして起こった場合、自律神経機能や脳機能、栄養状態を改善することで効果が出ることがあります。

多汗


※この症例で行っているアプローチは、この方の問診内容や検査結果をもとに考えて行った方法です。他の人に同じことをしても必ず効果が出るわけではありません。効果には個人差があり、アプローチ方法も個別に合ったものを行う必要があります。また問診票を見返しながら記載していますので、多少の記憶違いがある場合があります。

【症例:40代女性】
30代前半くらいから汗(特に頭と顔)と不眠に悩まされるようになってきた。夏はもちろん、冬でも少し動くと頭や顔に大量の汗をかいてしまう。発症当時で思い当たることは、ご主人の転職や子育てで非常にストレスを抱えていた。

[主訴以外の症状]
不眠(薬を服用)
心配性
ドライアイ
肩首のコリ

[本人の希望]
顔と頭の汗の量を少しでも減らしたい。出来れば不眠も改善したい。

[所見]()内は問題が推測できる場所。重要な情報に◎
~以下、本人の自覚あり~
・過去に脳震盪の経験あり。(脳、首)◎
・不安や心配性。(前頭葉、扁桃体)
・ドライアイ。(自律神経)
・不眠。(自律神経)
・手の平、足の裏が常に湿っている。(自律神経)
・イライラすると甘い物を食べてしまう。(脳、内臓、免疫、ホルモン、ストレス)

~以下、本人の自覚なし~
・匂いの感受性低下。(前頭葉、辺縁系)◎
・右への首の可動域が狭い(首)
・目を対象物から対象物へ瞬間的に動かすことがうまく出来ない。(前頭葉、脳幹、小脳)
・首の動きと目の動きの連動性の低下。(首、三半規管、脳幹)◎
・首を動かさないようにしながら、体を捻じる動きが出来ない。(首)◎
・右目で物を見ている。頭が右前に傾いている。(左後頭葉、首)
・歩きながら計算(二重課題)をしてもらうと動きが止まる。(前頭葉、頭頂葉)

[施術]
聴覚-視覚同調療法(写真)で脳をネガティブな状態からポジティブな状態へ誘導。同時にアロマを使用。

首の動きを手技で調整。
モーションガイダンスを使い、首をイメージ通りに動かせるようにするトレーニングを行う。(写真)

平衡感覚訓練

眼球運動のトレーニングを行う。
前頭葉のトレーニングを行う。
ホームワークとして、首と体を分離して動かす運動、眼球運動を指導。嗅覚から脳の興奮を落ち着かせる方法を指導。食事に関してアドバイス。

以上のことを最初の1ヶ月間で5回受けていただきました。その後は月に1回のペースで調整。

およそ4ヶ月後、まだ頭や顔に汗をかくが、以前のように滴り落ちることがだいぶ減り、発汗量が減っていることを実感している。不眠に関しても薬に頼ることが減っている。

[考察]
所見のところに書いたように、さまざまな問題の原因が首と脳に関わっていることが予想できます。どちらも自律神経に影響を及ぼす場所です。その部分からの感覚の入力や出力に問題が起こり、自律神経のバランスを崩してしまっていた可能性があると推察しました。この方の場合、嗅覚からアプローチすると、より良い反応が見られたので、ホームワークとして嗅覚を使ったエクササイズを指導しました。また、当院の臨床経験では、睡眠、体温調節、摂食に関する悩みを抱えている人に、嗅覚の問題が見つかる傾向にあります。これらは全て視床下部の働きになるので、ここの機能に何かしらの問題が起こっているのかもしれません。

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