慢性的な倦怠感やうつ その原因は「糖質」かもしれません

甘いものは好きですか?毎日欠かさず食べているという人もいると思います。

もしそんな人が、動悸や息切れ、汗をたくさんかいたり、手足の震えなどの自律神経症状に加え、日中の眠気や集中力の低下、そしてイライラに始まり、不安やうつ症状が出ていたら「糖質」が原因かもしれません。

低血糖症と機能性低血糖症

機能性低血糖症というのをご存じですか、「低血糖」だから血糖値が下がった状態のことだと思うかもしれませんが、一般的な低血糖症とは違います。一般的な低血糖症の症状というのは、冷や汗、動悸、頻脈、強い空腹感、手足の震え、などの自律神経症状から始まり、ひどくなると、目のかすみ、頭痛、強い倦怠感、生あくびなどが起こり、最悪、意識を失ってしまいます。そして、その対処法は血糖値を上げるためブドウ糖を摂取です。

しかし機能性がつくと自律神経症状に加え、不安や恐怖、うつといった精神的な問題も伴います。これが特徴でもあり、対処法も180°変わって、糖の摂取を制限しなければなりません。そしてこの機能性低血糖症は、まだ医師でも知らない人が多いと言われる症状になります。

まず低血糖が起こる理由は、血糖値を下げる薬の用法や容量を間違えたりした場合や、過度な食事制限をしたダイエットで起きる可能性があります。ただ、健康な人が普通にしている分には低血糖に陥ることはほとんどありません。

では機能性低血糖症はどのようにして起きるかについてお話します。

機能性低血糖症になる原因

まず糖を摂取すると、その糖は血液中を漂います。この血液中の糖の濃度が高くなっている状態が血糖値が高いという状態になります。そして血液中を漂った糖は、膵臓から分泌されたインスリンの働きによって筋肉などの細胞に吸収されます。すると血液中の糖の濃度は下がるため血糖値が下がります。これが正常な血糖値の変化になります。

しかし、何らかの理由によってこの働きが正常に働かなくなると、血糖値が下がり過ぎてしまい、機能性低血糖を引き起こします。この何らかの理由というのは、ストレス、過剰な糖の摂取、アルコールやカフェイン、食事の間隔の空きすぎ、糖が不足している状態での激しい運動、劣悪な腸内環境、などです。

このようなことがあると、糖を摂取した後に急激に血糖値が上がります。すると今度は血糖値を下げるために膵臓からインスリンが分泌されます。そしてインスリンの働きによって血糖値が一気に下がります。下のグラフを見てください(ひめのもとみクリニックHPからの引用)。

ひめのもとみクリニックHPより引用
http://www.himeno-clinic.com/teikettou/

この血糖値が急激に下がるときに眠気や集中力の低下、疲労感などがおこります。この症状はだいたい食後1~2時間で起こります。そして本来であれば血糖値が正常範囲まで下がるのですが、機能性低血糖症では、正常より低い位置まで下がってしまいます。

すると今度は糖が不足した状態になります。当然ですが脳も糖をエネルギーとして使っています。つまり脳もエネルギー不足に陥るわけですが、それでは困るのでアドレナリンやノルアドレナリンを分泌させて血糖値を上げようとします。アドレナリンやノルアドレナリンの分泌によって交感神経が活発になえるのでイライラしたりします。それとノルアドレナリンは脳の扁桃体という部分を活発にするため、それが不安や恐怖、パニックを引き起こしたります。

当然、血糖値が低くなっているので糖を摂取したい、甘いものを食べたいという欲求が起こります。そこでまた糖を摂取してしまうと血糖値が急上昇し、同じことを何度も繰り返して抜け出せなくなってしまいます。

これが機能性低血糖症です。

機能性低血糖症の人の一日

機能性低血糖症の人の一日は、まず朝が弱く寝起きが悪い、朝食にコーヒーなどのカフェインと糖分を摂取し、食後は元気になるが、お昼前にやる気や集中力が低下します。そしてお昼を食べるとまた元気になりますが、しばらくするとまたやる気や集中力が低下し、イライラしたりします。そして午後は昼食から夕食までの時間が結構空きますよね。そのため、血糖値が正常値より低いところまで下がります。だから夕方くらいになると、不安やうつ状態になって気分が不安定になります。あるいは夕方くらいに甘いものへの欲求が高まります。そして夜中に何度も起きてしまって、また朝の寝起きが悪いという、一日を繰り返し過ごすことになってしまいます。

機能性低血糖症を改善するための食事

機能性低血糖症を改善するためには、結論から言うと食事をしっかりと管理し、運動を行うことです。ここでは食事について説明いたします。

まず気を付けてほしいことはGI値を意識した食事です。GI値とは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で血糖値の上昇率を示した数値です。このGI値が高い食べ物ほど血糖の上昇率が高くなります。基本的に糖を多く含む食品ほど、このGI値は高くなります。下の表に一例を紹介します。

炭水化物野菜タンパク質果物
高GI白米・もち・パン人参・じゃがいも・とうもろこしスイカ・パイナップル
中GIうどん・パスタサツマイモ肉・魚キウイ・ブルーベリー
低GI玄米・ライ麦・オートミール・そばブロッコリー・トマト・葉物野菜大豆バナナ・みかん・ぶどう・リンゴ・いちど
例:食品のGI値一例

それと、食事の仕方を工夫することも大切です。GI値の高い食品を出来る限り避けることも大切ですが、なかなかすべて避けるのは難しくなりますので、GI値の高い食品を食べるときは、タンパク質や食物繊維を多く含んだ食品と一緒に食べることで血糖値の急上昇を抑えることが出来ます。

そして食事の間隔を空けすぎないことも大切です。間食は良くない、と思っている人も多いかもしれませんが、食事の間隔が空きすぎて空腹状態で食事をすると、糖の吸収率が上がり、血糖値が一気に上がってしまいます。それを抑えるためにも適度に間食を摂るようにしてください。ただ、その時に糖分の多いものを取ってしまってたり、食べ過ぎては意味がありませんので、間食する際はGI値の低い食べ物を選び、軽く食べるようにしてください。

それと、普段、野菜や果物をあまりとれないからと言って、栄養を補うために野菜ジュースやフルーツジュースを摂っている人もいると思います。実はこれらにはたくさんの糖が使われているのでお勧めしません。これらのジュースは野菜や果物の代わりにはならないので注意してください。

その他に注意すること

食事以外で気を付けるべきことは、副腎へ負担をかけないようにすること。ストレスやカフェイン、アルコール、ニコチン、睡眠不足、などは副腎に負担をかけるので避けてください。

そして、適度な運動です。運動で糖を消費し、ストレスを発散するようにしましょう。

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