【基本】不眠症の治し方

不眠症は、不眠そのものだけでなく、肩こりや腰痛、自律神経の問題、精神的な問題など、さまざまな症状を引き金になったり、またはそれらの回復の妨げになります。そのため優先して治しておかなければなりません。今回は不眠症を根本から改善するための重要で基本的なことについてです。

もう、長年苦しんでいる人や、いろいろ試したけど改善しないという人、あるいは薬に頼りたくないという人で、今回お話しする基本的なことが出来ていないと、どんなに不眠症に効くという食品を摂ったり、ツボを押したり、ストレッチや体操をしてみても効果がほとんど出なかったり、あるいは一時的な効果しかでなくなります。そういったものの効果を出すためには、まずは体が入眠できる状態になっていなければ、他の何をしても効果がでません。

例えば、筋力を付けたいのに運動をしないで、筋力アップするというプロテインだけ飲んでいても筋力が付かないのと同じです。筋力をつけるためには栄養だけではなく刺激(運動)が必ず必要です。これと同じで、効果を出すために必要なことはいくつもあるのに、そのうちの1つだけをしていても効果は出ません。

今回は入眠しやすい状態にするための基本的なことについてお話します。

睡眠

睡眠誘発ホルモンのメラトニン

不眠症で悩んでいる人ならメラトニンというホルモンの名前を一度くらいは聞いたことがあると思います。メラトニンは、睡眠を誘発するホルモンなので夜にメラトニンが出ないと眠くなりません。ではこのメラトニンが何から作られて、そしてどうすると出てくるのかご存じですか?

何か栄養を摂れば作られるのでしょうか?夜になれば勝手に分泌されるのでしょうか?あるいは不眠に効くというツボを押したり、ストレッチや体操をしたらメラトニンが出てくるのでしょうか?

まずはメラトニンがどうやって作られてどうしたらてくるのかについてお話します。

メラトニンは、日中に分泌したセロトニンというホルモンに酵素が働くことで作られています。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれているホルモンで、感情や気分のコントロール、精神の安定に必要なホルモンです。だから不眠症だけでなく自律神経の乱れの改善に必要になります。

そこでまず、日中にセロトニンを出さなければなりません。そのために朝にちゃんと起きて陽の光を浴びる必要があります。そうすることによってセロトニンが分泌されます。できたら、体温が上がり始める朝の8時には起きて、午前中のうちに散歩などをして体を動かすようにしましょう。日の光を浴びるだけでなく、体を動かすことで、さらにセロトニンが作られやすくなります。

もしセロトニンがちゃんと作れない場合は、食事を意識する必要があります。セロトニンの原材料はアミノ酸のトリプトファンです。トリプトファンはカツオや鳥のレバー、大豆、卵、牛乳などに多く含まれています。その他にも鉄分やビタミンB群などがセロトニンを作る手助けをしてくれます。大豆、お肉、魚介類には鉄分やビタミンBが含まれていますので、できるだけ食品から摂るようにしましょう。

今言ったように不眠を改善するためにはまず、日中にセロトニンを出す、ということが大事です。これが出来ていないと、結局、夜になっても睡眠を誘発するメラトニンが作れないので、いくら他の事をやっても眠くなりません。

睡眠を妨げる行動を避ける

次に注意しなければいけないのが、睡眠を妨げる可能性のあることを避けるということです。

それは夜に交感神経を活発にしないようにすること。交感神経が活発になると体や脳が興奮してしまい眠れなくなります。よくある交感神経を活発にさせてしまう要因は、運動、ブルーライト、カフェインです。

まず運動についてですが、体を動かすということは交感神経が活発になります。そのため、運動は出来るだけ陽が落ちる前の日中に行う方が良いです。セロトニンのところでも話しましたが、できれば午前中のうちに行うことがお勧めです。

運動

次にブルーライト。ブルーライトは陽の光と同じ短い波長の光なので、日が暮れた後も浴びていると脳は今の時間を日中だと勘違いしてしまいます。そうすると、夜になってもセロトニンが分泌され続けて交感神経が働いた状態になります。先ほども言いましたが、セロトニンからメラトニンが作られるわけですが、セロトニンが出続けていると、メラトニンを作ることが出来なくなります。だから日が暮れた後はブルーライトを出来るだけ避け、日中に分泌されたセロトニンからメラトニンを作りやすい状態にしてあげることが大切です。

日常的に浴びやすいブルーライトと言えば、スマホ、テレビ、パソコン、あとは電気の光です。日が暮れた後、電気を消して生活するのはなかなか難しいので、日が暮れたら暖色系の電気を使うようにすることで対策が出来ます。

ブルーライト

そして最後カフェイン。皆さんご存じだと思いますが、カフェインは交感神経を上げて体や脳を活発にしてくれます。だから、夜にカフェインをとってしまうと眠りにくくなります。では、寝るどのくらい前までなら良いかというと、カフェインの効果のピークが摂取後30分~2時間くらいまでで、半減期が4時間と言われています。半減期というのはその効果が半分になるまでにかかる時間のことです。だから8時間で1/4になります。そう考えると寝る時間の10時間前から8時間前を過ぎたら摂取するのは避けた方が良いです。だいたい夜の11時に寝るとしたら、午後の3時以降はカフェインを摂らないように心がけると良いと思います。

カフェイン

まとめとおまけ

主にこういったことが交感神経を活発にして睡眠の妨げになります。厳しいようですが、本当に不眠に悩んでいるならば、こういったことを意識した生活習慣を3ヶ月は続けてみてください。それくらい本気で取り組まないと、不眠症を治すのは簡単なことではありません。

最後に、おまけですが、緑茶を日常的に飲むようにすると睡眠の質が上がる可能性があります。緑茶にはカフェインが含まれているので、カフェインに敏感な人は日が暮れた後は避けた方が良いのですが、緑茶にはテアニンという成分が含まれています。このテアニンには睡眠の質を上げてくれるという作用があります。他にもリラックス効果や冷え性改善、血圧を下げる働きなどがあるのでお勧めです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です