中央林間で首の痛みで悩んでいる方へ|頚部痛の原因と対策

主な頚部痛の原因

首の痛み(頚部痛)は、多くの人が一度は経験する症状です。デスクワークやスマホの長時間使用による不良姿勢、むち打ちなどの外傷が主な原因ですが、その背景には筋肉や関節、神経、さらには心臓・血管まで、さまざまな要因が関わっています。

今回の記事では、初めに頚部痛の原因をまとめて紹介し、その原因の一つである「頚の筋肉や関節の機能障害」による痛みについて詳しく解説します。

筋肉・靭帯の緊張と炎症

最も多いのは、首周囲の筋肉や靭帯の緊張による痛みです。長時間の前傾姿勢や「スマホ首」と呼ばれるストレートネックで、僧帽筋や肩甲挙筋が常に引き伸ばされたり、逆に一部の筋肉が縮んだ状態で。その結果、筋膜の滑走障害や炎症が起こり、痛みやだるさを感じます。

筋肉や関節の機能障害

骨折や大きな構造損傷ではなく、椎間関節や靭帯、周囲の筋肉が正常に働かなくなり、動きのバランスが崩れてしまう状態を指します。後ほど詳しく解説します。

骨・関節の変性やトラブル

加齢や負担の蓄積によって、頚椎の椎間板や関節が変性することもあります。代表的なものに変形性頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアがあります。これらは神経根を圧迫し、首の痛みだけでなく腕のしびれや筋力低下を伴うこともあります。頸椎椎間板ヘルニアの症状やチェック方法についてはこちら。

外傷による頚部痛

交通事故によるむち打ち症やスポーツ外傷も頚部痛の原因になります。外傷後は関節や靭帯の損傷だけでなく、長期的な筋緊張や自律神経の乱れが残ることがあります。また、強い衝撃により、固有受容感覚の異常が起こり、めまいの原因にもなります。このめまいは受傷直後に起きるとは限らず、数ヶ月~数十年経って発症することもあります。めまいが起きるメカニズムについてはこちら。

心臓・血管疾患に伴う頚部痛

一見すると首とは無関係に思える疾患が原因で痛みを感じる場合もあります。

  • 椎骨動脈や頚動脈の動脈解離(片頭痛を伴うこともある)
  • 心筋梗塞や狭心症による放散痛

これらは命に関わる可能性があるため、早急な病院での検査が必要です。

頚部痛と機能障害について

頚部痛の背景には「動きの異常(機能障害)」が関わっているケースが少なくありません。これは骨折や大きな構造損傷などのようにレントゲンで見つかる問題ではありません。椎間関節や靭帯、周囲の筋肉が正常に働かなくなり、動きのバランスが崩れてしまい、機能的な問題を起こしている状態を指します。

関節機能障害とは?

関節機能障害は、関節の動きが「固くなって動かない」または「緩みすぎて不安定」といった異常が起こり、結果として首に痛みや違和感をもたらします。特に頚椎は可動域が大きく、些細なバランスの崩れでも痛みにつながりやすい部位です。

可動性低下(Hypomobility)と頚部痛

長時間の不良姿勢や炎症の後、関節や靭帯が硬くなると、特定の方向への動きが制限されます。その結果、周囲の筋肉が代償的に緊張し痛みを生じます。慢性の肩こりや首のだるさの背景に、この「可動性低下」が隠れていることがあります。

可動性亢進(Hypermobility)と頚部痛

一方で、事故や外傷などで靭帯が緩むと、関節が必要以上に動いてしまうことがあります。この場合、身体は関節を守るために筋肉を過剰に緊張させ、慢性的な痛みを生みます。むち打ち後に痛みが長引くケースは、この「可動性亢進」が関与していることがあります。

また、頻繁に自分で首をボキボキ鳴らしていると、同じところが動かされて可動域亢進を引き起こします。整体やカイロプラクティックなどの専門家に矯正してもらう場合も注意が必要な場合があります。ボキボキ矯正の危険性と誤解についてはこちら。

異常運動パターン(Movement Dysfunction)

関節の動きが左右非対称になる「異常運動パターン」も重要です。デスクワーク中に頭をわずかに傾けたり、いつも同じ方向を見たりすることで、頚椎の一部に偏った負担がかかり、痛みや機能障害が固定化します。

関節機能障害が痛みを悪化させるメカニズム

  • 関節の異常運動 → 関節包や靭帯の微小損傷
  • 神経終末の感作 → 筋スパズムや血流低下
  • 発痛物質の蓄積 → 慢性痛へ移行

つまり「関節の動きの異常 → 筋肉の緊張 → 痛みの慢性化」という悪循環が生じます。

頚部痛に対するマリガンコンセプト(MWM・SNAGs)の効果

マリガンコンセプトとは、理学療法師のBrian Mulligan氏によって提唱された手技です。その手法の中にMWM(Mobilization With Movement:運動併用モビライゼーション)とSNAGs(Sustained Natural Apophyseal Glides:持続的椎間関節自然滑走法)というものがあります。

MWMは、セラピストが関節に無痛のモビリゼーションを加えながら、患者が自ら動作を行う手技です。この手法は関節アライメント(配置)の矯正や運動パターンの改善、痛みの緩和を目的としています。この手法は関節アライメント(配置)の矯正や運動パターンの改善、痛みの緩和を目的としています。

SNAGsは、本来の関節運動が起こるように、椎間関節に持続的な圧をかけながら滑走させるというものです。この手法は、主に脊椎の運動パターンの改善や機能障害の改善を目的としています。自分自身で行うセルフSNAGsもあり、患者に指導することで自宅でのケアにも使えます。

以下の記事の「セルフケア3とセルフケア4」が、首に対するセルフSNAGsの一例です。
肩こり・首こりからくる頭痛を自分を改善するストレッチ

頚部痛に対しては、SNAGsとMWMを併用することで、痛みの軽減や動作が改善したという研究報告が多数あります。ただし、全ての首の痛みに効くという、万能のテクニックではありません。このテクニックが適応か適応外か判断することも必要です。ですが、適応の機能障害に対しては非常に有効的な手法です。

MWM・SNAGsの効果を示すエビデンス

  • Efficacy of a C1-C2 Self-sustained Natural Apophyseal Glide (SNAG) in the Management of Cervicogenic Headache
    頸性頭痛の管理におけるC1-C2自立型自然骨端線滑走法(SNAG)の有効性
    DOI: 10.2519/jospt.2007.2379
  • Comparative safety and efficacy of manual therapy interventions for cervicogenic headache
    頸性頭痛に対する手技療法介入の安全性と有効性の比較
    https://doi.org/10.3389/fneur.2025.1566764
  • Immediate Effects of Mobilization With Movement Technique on Cervical Muscle Stiffness, Pain, and Range of Motion in Individuals With Mechanical Neck Pain
    機械的頸部痛患者における頸筋の硬直、疼痛、可動域に対する運動療法によるモビライゼーションの即時効果
    DOI: 10.1080/09593985.2025.2473471
  • Immediate Effects of Mobilization With Movement Technique on Cervical Muscle Stiffness, Pain, and Range of Motion in Individuals With Mechanical Neck Pain
    持続的椎間関節自然滑走法(SNAG)は頸性めまいの効果的な治療法である
    https://doi.org/10.1016/j.math.2007.03.006

まとめ

頚部痛は様々ありますが、その原因の一つである機能障害対しては、マリガンコンセプトのMWMやSNAGsまたはその併用は、頚部痛(主に慢性的な痛み)対して効果を示すエビデンスが多数存在します。中央林間カイロプラクティックオフィスでも、このMWMやSNAGsを取り入れた施術やリハビリを行っております。

この記事を書いた人

中央林間カイロプラクティックオフィス 興津 尚之

カイロプラクター

【資格・所属】
日本カイロプラクティック徒手医学会 正会員
マニュアルメディスン研究会 正会員
公益財団法人 日本スポーツ協会 認定スポーツプログラマー
Bachelor of Engineering(工学)

【経験】
臨床経験は17年以上。空手・ソシアルダンス・ラグビーの競技大会での選手のサポート経験あり。一般の方から、プロスポーツ選手に対する施術経験あり。


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