現在、子供の受付はしておりません。今後、新型コロナの状況を見て再開の検討したいと思います。
大人の発達障害
- コミュニケーションが苦手
- 過度に緊張してしまう
- ジッとしていることができない
- 思っていることをうまく表現できない
- 首と手や足を連動した動きが苦手・ぎこちない
- 音や光に敏感
発達障害は子供特有の問題ではありません。脳の働きに何らかの問題を抱えたまま成長すると、その問題は大人になっても残ります。発達障害とは、脳機能の発達にアンバランスが生じて、学習や社会生活などに困難が生じてしまうことです。
発達障害という言葉は21世紀になってから徐々に使われるようになってきました。それまでは一般的に発達障害という言葉は認知されていなかったため、他の子たちとはちょっと違った行動をとるような子は、単に「変わった子」というように捉えられていました。
しかし、変わった子たちの中には、脳の発達のアンバランスによって引き起こされていた子たちがいます。現在のように、発達障害という言葉が認知されていなかったため、そのまま大人に成長して生活を送っています。そのようにして大人になった人たちの中には、最初のリストに書いたようなことで、現在でも生きづらいと感じている人たちがいます。
そんな悩みを抱えた大人の脳のバランスを整えて、少しでも生活が楽になるようにトレーニングを行います。
脳は、刺激を受けることで発達します。もちろん子供の方が、脳の発達は起こりやすいですが、大人になったら発達しないというものではありません。当院では、Dr.Robert Melillo(アメリカの小児神経障害の最も有名な専門家の1人で、20年以上にわたり学習障害児を援助している)が言うように、他の人と比べて、刺激が不足している、という考えのもと、その不足している刺激を与えて脳の発達を促します。
脳の発達と刺激
図のように脳には、体の部位に対応した感覚や運動の領域が存在します。運動野は筋肉に信号を送って体を動かし、感覚野は体からの感覚(痛み、温度、触角など)を感じ取ります。運動野、感覚野はそれぞれ左右にあります。
感覚野と運動機能は密接に関係しています。感覚情報の役割は、運動を正しい方向へ導くことです。
例えば、眼の前に置いてあるコーヒーカップを取る時、視覚情報をもとに位置を計算し、カップに向けて手を伸ばします。カップに手が触れた感覚が脳へ伝わることで、カップを握るという行動に移ることが出来ます。もしちゃんと感覚が伝わっていないと、どのくらい手を伸ばして、どのくらいの力で握ればいいのか判断できず、うまく掴むことが出来なくなります。
実際に体を動かすことで様々な刺激が脳へ伝わり、対応する脳の領域を発達させてくれます。
だから、刺激が不足していると脳の発達が遅れてしまいます。
前頭葉の働き
- 衝動の制御
- 情動の制御
- 理性・倫理
- やる気
- 運動の制御
- 整理・順位付け
前頭葉の働きが未熟な場合、我慢ができない、落ち着きが無い、片付けができない、作業手順が覚えられない、コミュニケーションが苦手、などが起こります。前頭葉は社会生活を快適に行うために、とても重要な働きをしてくれています。
運動をすると前頭葉の活動が上がります。体を動かす時に、どのように体を動かしたらいいかという運動計画、そして運動の実行命令は前頭葉を使います。
前頭葉はドーパミンの働きによって活性化する神経が多くあります。そのためホルモンバランスも重要になります。
原始反射
Primitive Reflexes
原始反射は赤ちゃん(正確には胎児の頃から)が生きていくために備わっている反射です。これは成長していく過程で神経系が統合されて消失していきます(ほとんどが生後6ヶ月ほどで統合され消失)。
しかし、成長してもこれらの反射が残ってしまうことがあります。反射は刺激によって無意識的に起こる体の反応です。この反応が起こることで、意図していない動作が起こってしまい日常生活の妨げになります。
原始反射の中には首の動きと連動して手が動いてしまうものがあります。例えば、文字を書くために手元を見るように首を動かすと、反射でその手が意図しない別の動きをしてしまい、文字を書くのが困難になります 。もし、学校に通うようになってもこの反射が残っていたりすると、 勉強の妨げになる可能性があります。
原始反射が残っていた場合、反射が起こらないように脳や神経の統合するためてエクササイズを行います。
代表的な原始反射の残存と問題
モロー反射
落ち着きがない・多動。衝動を抑えることが出来ない。音や光に敏感。年齢に比べ社会的に未熟。
手掌把握反射
手先が不器用。文字が汚い。筆圧の問題。
非対称性緊張性頚反射
目と手の協調運動が苦手。体の中心を交差する動きが苦手。目で物を追うのが苦手。文章を読むのが苦手。
緊張迷路反射
筋肉がダランとして張りがない。バランス感覚が悪い。車酔い。つま先で歩く、又は、歩いていた。空間の把握が苦手。
対称性緊張性頚反射
筋肉がダランとして張りがない。姿勢が悪い。目と手の協調運動が苦手。
ガラント反射
姿勢が悪い。夜尿症。集中力・記憶力に問題がある。落ち着きがない。
吸啜(てつ)反射
よく食べ物で口の周りを汚す。よだれをたらす。指をしゃぶる。発音や発語の問題。
当院のアプローチ方法
発達障害は、他の人と比べて刺激が不足している、という考えのもと、その不足している刺激を与えて脳の発達を促します。
行動や言動に関するアンケート、問診、表情や行動、脳の機能を見る検査、など、さまざまな情報をもとに脳の状態を分析します。その分析結果をもとに、その人に合う効果的なトレーニング方法を考えて実践します。
そして、その反応や変化を観察しながらトレーニング内容を細かく修正して、より効果的なやり方を探していきます。そのため、たとえ同じような問題で悩んでいる人が10人いたら、全員が違うトレーニング内容になることもあります。「この症状にはこのやり方」という型にはまった方法はありません。
もし、当院の考えに興味を持っていただけましたら、一度ご相談ください。