肥満は腰痛リスクが増える|体重増加と腰にかかる負荷の違い
「腰痛」は、多くの人が一度は経験する身近な症状であり、日本では国民の約80%が生涯に一度は腰痛を経験するとも言われています。腰痛の原因はさまざまありますが、ある人たちが目を背けている原因があります。それは「肥満」です。
腰痛の原因は「肥満」かもしれません
「腰が痛いけど、特に何もしてないのに…」
そんな方で、もし自分は太っているかもと思うなら、体重が腰にかけている負担を見直してみましょう。
腰にかかる負担を、ただ立っているときの腰への負荷を100%として、他の姿勢をしたときの腰にかか負担の違いを体重別に見てみましょう。
まず、比較するうえで重要な腰にかかる負荷です。腰から上の体幹・上肢・頭の重さは体全体の約66%で下肢の重さは約34%です。この体重の66%を腰にかかる負荷とします。
姿勢による腰にかかる負荷の違いは、以下の研究のPresent Studyで示されている数値を使っています。

体重の違いによる腰への負担を比較
| 状況(腰への負荷) | 体重50kg 腰にかかる負荷 | 体重55kg 腰にかかる負荷 (-5kgからの増加量) | 体重60kg 腰にかかる負荷 (-5kgからの増加量) |
|---|---|---|---|
| 直立姿勢(100%) | 約33.0kg | 約36.3kg (+10%:3.3kg) | 約39.6kg (+9%:3.3kg) |
| 座位で腰を丸める(190%) | 約62.7kg | 約69.0kg (+10%:6.3kg) | 約75.2kg (+9%:6.2kg) |
| 前かがみで洗顔(220%) | 約72.6kg | 約79.9kg (+10%:7.3kg) | 約87.1kg (+9%:7.2kg) |
| 20kgの荷物を持ち直立姿勢(220%) | 約72.6kg | 約79.9g (+10%:7.3kg) | 約87.1kg (+9%:7.2kg) |
| 20kgの荷物を持ち立位で前かがみ(450%) | 約148.5kg | 約163.4kg (+10%:14.9kg) | 約178.2kg (+9%:14.8) |
| 状況(腰への負荷) | 体重65kg 腰にかかる負荷 (-5kgからの増加量) | 体重70kg 腰にかかる負荷 (-5kgからの増加量) | 体重75kg 腰にかかる負荷 (-5kgからの増加量) |
|---|---|---|---|
| 直立姿勢(100%) | 約42.9kg (+8.3%:3.3kg) | 約46.2kg (+7.7%:3.3kg) | 約49.5kg (+7.1%:3.3kg) |
| 座位で腰を丸める(190%) | 約81.5kg (+8.4%:6.3kg) | 約87.8kg (+7.7%:6.3kg) | 約94.1kg (+7.2%:6.3kg) |
| 前かがみで洗顔(220%) | 約94.4kg (+8.4%:7.3kg) | 約101.6kg (+7.6%:7.2kg) | 約108.9kg (+7.2%:7.3kg) |
| 20kgの荷物を持ち直立姿勢(220%) | 約94.4kg (+8.4%:7.3kg) | 約101.6kg (+7.6%:7.2kg) | 約108.9kg (+7.2%%:7.3kg) |
| 20kgの荷物を持ち立位で前かがみ(450%) | 約193.1kg (+8.4%:14.9kg) | 約207.9kg (+7.7%:14.8kg) | 約222.8kg (+7.2%:14.9kg) |
このように体重が5kg増加するごとに腰にかかる負担が7~10%増加していきます。体重が50kgと60kgの人で、前かがみの姿勢で腰にかかる負荷の差は14.5kgもあります。この重さを身近なもので例えると、自転車と同じくらいの重さです。あなたが、毎朝、顔を洗う習慣があるとしたら、それだけ増加した負荷が毎朝腰にかかったいるということになります。

もしあなたが重い荷物を持ち運ぶような仕事をしていて、体重が50kgから60kgになったとします。すると、仕事中に腰にかか負荷は29.7kg増加することになります。この重さを身近なもので例えると、洗濯機と同じくらいの重さです。洗濯機を背負って仕事をするようになったと考えると、驚くべき重労働ですよね。

これではいくら腰の筋肉をストレッチしたり、マッサージしても、腰にかかる負荷が大きすぎて良くならないと思いませんか。
体重が増えると腰痛が起きやすい理由
1. 腰椎や椎間板への圧迫が強くなる
- 特に腰椎4〜5番(L4/L5)は強い圧を受ける
2. 姿勢が崩れやすくなる
- 体重が増えると重心が前方にずれやすく、反り腰や猫背になりやすい
3. 体幹筋への負担が大きくなり、疲労しやすい
- 腹筋・背筋がバランスよく働かず、筋肉の緊張や炎症が起こりやすくなる
アドバイス|腰痛予防にできること
もし、あなたの体重が以前より増えているなら、その腰痛は筋肉を緩めたり、体の歪みを整えるだけでなく、体重コントロールも腰痛改善のカギです。
体重を落とすために見直すべきこと。
- 食事の管理(腸内環境が乱れているなら見直しも)
- 運動(運動の重要性を示すエビデンスについて)
- 座っている時間を減らす(運動の重要性を示すエビデンスについて)
これらを意識することが重要になります。
まとめ|体重が増えると腰痛リスクが上がる
腰痛の原因は、骨格の歪みや筋肉のコリだけでなく、体重の増加で起こっている可能性があります。最近、お腹周りが気になるようになったり、体重が増えたと感じるようなら、まずは体重のコントロールも腰痛改善のカギになります。
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