【股関節痛】足を引きずるほどの股関節の痛み
股関節痛が改善するまでの道のり
40代男性/仕事:自営業/運動:-
主訴:右のソ径部(股関節)の痛み
股関節痛が出た時の状況
数年前からソ径部に痛みが出るようになった。最初に右側が痛くなり、それが落ち着いた後に左側が痛くなった。この時は特にひどく足を引きずって歩いていた。
左が治ったと思ったらまた右側に痛みが出るようになった。病院でMRIを撮り、椎間板ヘルニアだろうと言われた。椎間板ヘルニアの位置はハッキリ覚えていないが下の方だった気がすると言います。
仰向けで寝た状態で、右足を上げることが出来ない。常に違和感がある。歩いていると痛みが強くなり、びっこを引いて歩く。
痛みの強さ(10が最大で日常生活困難):5
中央林間カイロによる見立てとアプローチ
痛みが出ている場所から、椎間板ヘルニアと聞いて疑問がありました。
もし腰椎椎間板ヘルニアでソ径部に痛みが出るとしたら、腰神経の1番か2番が障害されていることになります。
しかし、この部分で腰椎椎間板ヘルニアが発症する可能性はそんなに高くありません。腰椎椎間板ヘルニアが起こる場所は、腰の下の方で腰神経の4番、5番が障害されることの方が圧倒的に多く起こります。
神経学検査では、右の腰神経の4番、5番と、仙骨神経の1番の運動機能に異常が見られました(これは病院での画像検査とほぼ一致)。その他の部分の神経異常は特にありません。ただし、この神経の支配部分に症状はなにもありません。
仰向けで寝た状態で、膝を伸ばしたまま踵を上に持ち上げると、すぐにソ径部に痛みが出ます。右の股関節を外側、内側、どちらに捻じっても痛みが出ます。パトリックテストという股関節の検査を行うと痛みが強く出ます。
これらを含めて考えると、ソ径部の痛みの原因は股関節にある可能性が非常に高いです。病院での画像検査と、当院で行った神経学検査が一致している部分もありますが、それとソ径部の痛みは別です。
つまり、たとえこのクライアントさんに椎間板ヘルニアがあったとしても、今回のソ径部の痛みとは関係無いということになります。
1回目、骨盤と腰の歪みの調整と、腸骨筋(下図)と言う筋肉を調整しました。すると、最初の検査の時、仰向けでほとんど上げることが出来なかった足が、痛みが出ることなく上げられるようになりました。
ただし、股関節にわざと負荷をかけると痛みが出るため、完全に治ったわけではありませんが、痛みは随分と減ったようです。
筋肉の異常が股関節痛を引き起こす
ソ径部の痛みの原因は、椎間板ヘルニアではなく股関節や周辺の筋肉の問題でした。
それを裏付けるように、股関節と周辺の筋肉を調整することで痛みが半減しています。帰りも、来た時みたいに大きく足を引きずることはなくなりました。
ただ、その後、来院されていないのでどうなったのかが分かりません。痛みが取れていると良いのですが。