腰痛の種類と治し方

肩こりや腰痛など、コリや体を動かす際に出る痛みは、体の動きの協調性が失われて、負荷が一部分に集まって起こります。この協調性が失われる原因は、筋肉か関節(あるいは両方)に問題が起きて発症する場合がほとんどです。

詳しくは「痛みで出来ない動きを出来るようにする」をお読みください。

このページでは、一般的によく起こる筋肉の問題によって起こる腰痛の種類と、どこの筋肉を緩めたりストレッチしたら治るのかをお教えします。関節に関する問題は、話が複雑になってしまい、一般の人が自分で対応することは難しいので、ここでは説明しません。

また、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛などの場合は、他にもいろいろ考慮しなければなりませんので、専門家に相談してください。

腰痛にはタイプがある

腰痛には、腰を曲げる際の腰の痛み、反らす際の腰の痛み 、横に倒す際の腰の痛み、 捻じる際の腰の痛み、 など、いろいろなタイプがあります。どのように体を動かす際に痛みが出るかによって、原因や治し方は変わってきますので一つずつ説明していきます。

腰を曲げる際の腰の痛み

この場合、腰痛の原因は体の背面の筋肉にあります。主に膝、股関節、背骨の柔軟性を低下させるような筋肉の硬さがどこかにあることで、このタイプの腰痛を引き起こします。

膝の柔軟性

膝の柔軟性を低下させる筋肉は主に、ふくらはぎ(腓腹筋)と太ももの裏(ハムストリングス)の筋肉です。

腓腹筋
ハムストリングス

図を見てください。これらの筋肉は膝の関節をまたいでいます。この筋肉が硬くなることによって、膝を伸ばす際の柔軟性が低下します。

前屈をしてみてください。この時、無意識に膝が曲がってしまうようなら、どちらかの筋肉あるいは両方の筋肉が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、これらの筋肉を揉んだり、ストレッチをして治しましょう。

股関節の柔軟性

股関節の柔軟性を低下させる筋肉は主に、太ももの裏(ハムストリングス)の筋肉とお尻の筋肉(殿筋群)です。

殿筋群
ハムストリングス

図を見てください。これらの筋肉は股関節をまたいでいます。この筋肉が硬くなることによって、股関節を曲げる(足を上げる)際の柔軟性が低下します。

前屈をしてみてください。この時、下の図のように、股関節が後ろに引けず、足が床と垂直に近い状態になったままの場合、どちらかの筋肉あるいは両方の筋肉が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、これらの筋肉を揉んだり、ストレッチをして治しましょう。

背骨の柔軟性

股関節の柔軟性を低下させる筋肉は主に、背中の筋肉(脊柱起立筋)です。

脊柱起立筋

図を見てください。この筋肉は背骨に沿って、骨盤から首に至る広範囲に渡っています。この筋肉が硬くなることによって、背骨の柔軟性が低下します。

前屈をしてみてください。この時、下の図のように、背中が丸まらず直線的になったままの場合、この筋肉が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、この筋肉を揉んだり、ストレッチをして治しましょう。

腰を反らす際の腰の痛み

この場合、腰痛の原因は体の前面の筋肉にあります。主に股関節、腹部の柔軟性を低下させるような筋肉の硬さがどこかにあることで、このタイプの腰痛を引き起こします。

股関節の柔軟性

股関節の柔軟性を低下させる筋肉は主に、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)とお腹の奥にある筋肉(腸腰筋)です。

大腿四頭筋
腸腰筋

図を見てください。これらの筋肉は股関節をまたいでいます。この筋肉が硬くなることによって、股関節を反らす(足を後ろに引く)際の柔軟性が低下します。

腰を反らしてみてください。この時、股関節が少し前に出るような動きが起こらず、足が床と垂直に近い状態になったままの場合、どちらかの筋肉あるいは両方の筋肉が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、これらの筋肉を揉んだり、ストレッチをして治しましょう。

腹部の柔軟性

腹部の柔軟性を低下させる筋肉は主に、腹筋(腹直筋)です。

腹直筋

図を見てください。これらの恥骨から肋骨を繋ぐようにお腹についています。この筋肉が硬くなることによって、お腹(腰)を反らす際の柔軟性が低下します。

腰を反らしてみてください。この時、腹部に円弧を描くような丸みがなく、直線的になっている場合、この筋肉が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、この筋肉を揉んだりストレッチをして治しましょう。

体を横に倒す際の腰の痛み

体を横に倒す際の腰痛の原因は、体の側面や太ももの筋肉にあります。主に股関節、腰回りの柔軟性を低下させるような筋肉の硬さがどこかにあることで、このタイプの腰痛を引き起こします。 ここでは、体を左に倒す際の腰痛を例に説明します。

股関節の柔軟性

股関節の柔軟性を低下させる筋肉は主に、右側の骨盤の側面の筋肉(中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋)と、左側の腸腰筋、左側の太ももの内側(内転筋群:図無し)の筋肉です。

骨盤周辺の筋肉
腸腰筋

右側の骨盤の周辺の筋肉と、左の腸腰筋、左の内転筋群の筋肉が硬くなることによって、左に体を倒す際の股関節の柔軟性を低下させます。

体を左に倒してみてください。この時、左の骨盤が無意識に後ろに引けてしまったら、左の腸骨筋が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。右の股関節側面から脇腹にかけて、円弧を描くように伸びなければ、右の骨盤の側面の筋肉か左の内転筋群が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、この筋肉を揉んだり、ストレッチをして治しましょう。

腰回りの柔軟性

腰回りの柔軟性を低下させる筋肉は主に、腰の横の筋肉(腰方形筋)と、お腹の側面(腹斜筋)の筋肉です。

腰方形筋
腹斜筋

右側の腰方形筋と、右の腹斜筋が硬くなることによって、左に体を倒す際の腰の柔軟性を低下させます。

体を左に倒してみてください。この時、右の股関節側面から脇腹にかけて、円弧を描くように伸びなければ、これらの筋肉が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、この筋肉を揉んだり、ストレッチをして治しましょう。

体を捻じる際の腰の痛み

体を捻じる際の腰痛の原因は、体の側面や太ももの筋肉にあります。主に股関節、腰回りの柔軟性を低下させるような筋肉の硬さがどこかにあることで、このタイプの腰痛を引き起こします。 ここでは、体を右に捻じる際の腰痛を例に説明します。

股関節の柔軟性

体を横に倒す際の腰痛とほとんど同じです。
股関節の柔軟性を低下させる筋肉は主に、右側の骨盤の側面の筋肉(中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋)と、左側の腸腰筋、左側の太ももの内側(内転筋群:図無し)の筋肉です。

骨盤周辺の筋肉
腸腰筋

体を右に捻じってみてください。この時、左の骨盤が前に出ない、又は右側の骨盤が後ろに捻じれない場合、左の腸骨筋が硬くなっているか、右側の骨盤側面の筋肉が硬くなっていて腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、これらの筋肉を揉んだり、ストレッチをして治しましょう。

腰回りの柔軟性

体を横に倒す際の腰痛とほとんど同じです。
腰回りの柔軟性を低下させる筋肉は主に、腰の横の筋肉(腰方形筋)と、お腹の側面(腹斜筋)の筋肉です。

腰方形筋
腹斜筋

体を右に捻じってみてください。この時、右の脇腹から胸にかけて伸びなければ、これらの筋肉が硬くなっていて、腰痛の原因になっている可能性が考えられます。もし当てはまるようなら、この筋肉を揉んだり、ストレッチをして治しましょう。

他にも腰痛の原因はあります

この記事では、筋肉が硬くなることで関節の柔軟性を低下させ、腰へ負担がかかり起こる腰痛について説明しました。しかし、これだけが腰痛の原因ではなく、筋肉を緩めただけでは治らないこともあります。しかし、腰痛の原因のほとんどは、この筋肉の問題から始まります。それを放っておくことで関節への負担が増えて、関節の故障を起こします。それでもさらに放っておくと、椎間板ヘルニアや骨の変形と言ったような、構造の変化がおこり、さらに治りにくくなってしまいます。まずは普段から筋肉をケアしてあげることで、腰痛の予防をしてください。