整体の禁忌/事故を未然に防ぐ

整体などの手技療法を行ってはいけない障害や病気があります。その障害や病気は、筋骨格系の問題と似たような症状を伴うことがあります。それに気付かずに、筋骨格系の問題と思いこみ施術してしまうと、取り返しのつかない結果を招く恐れがあります。セラピストは患者に不利益を与えるような行為は決してしてはいけません。

禁忌症にもかかわらず、それと気付かずに手技を受けに来てしまう可能性のある、大動脈瘤と椎骨動脈狭窄の症状や確認方法について書きます。。

血管

整体の禁忌:大動脈瘤

大動脈瘤は症状が出にくいと言われていますが、その瘤(コブ)が大きくなると、胸部痛や背部痛、腰痛などの症状を出すことがあります。最近だと、俳優の阿東快さんが、この大動脈瘤破裂で急死しています。阿東快さんは、亡くなる数ヶ月前から、背中の痛みや腰痛を訴えていて、マッサージなどにも通っていたそうです。本来であれば、この施術をした人が異変に気付いていれば、結果が変わっていたかもしれません(そう言った助言をしていたかもしれません)。

背中の痛みや腰痛で整体やマッサージに行く人は決して少なくありません。だからこそ、知っておかなければならないことです。施術の刺激によって動脈瘤が破裂することも考えられます。破裂してしまった場合、すぐに救急車を呼んだとしても非常に高い死亡率です。だからこそ、未然に防ぐ必要があります。

年齢・血圧・既往歴は参考になります。腹部大動脈瘤であれば拍動する塊のようなものが触診で確認することが出来ます(雑に触れると危険)。胸部の場合は肋骨があるため触診で確認することはできません。筋骨格系の痛みと違うところは、安静にしていても痛みがあり、体を動かすことによる痛みの増悪も見られないことです。

整体の禁忌:頚椎の椎骨動脈の狭窄

椎骨動脈の狭窄による症状は、頭痛、めまい、吐き気、視覚障害、運動失調、手足の麻痺などです。頭痛で整体を受けに来る人は少なくありません。当オフィスはめまいを訴えてくる人も少なくありませんが、吐き気や視覚障害などを主訴として整体に来るクライアントは少ないと思います。

椎骨動脈にもっとも負担がかかる頚の動きは、伸展を伴った回旋です。この時に回旋とは反対側の椎骨動脈に負荷がかかり血流が減少します。ですから、頚の伸展を伴った矯正は絶対に避けるべきです。

椎骨動脈の狭窄があるか確認する方法は、クライアントを仰向けにして、頭部を保持しながら頚をベッドの端から出します。クライアントには常に目を開けたままにしてもらいます。その状態から頚を伸展・回旋させていき意図的に椎骨動脈に負荷をかけます。もしこの時、椎骨動脈の血流の減少が起これば、顔色が青くなったり、めまいや眼振、吐き気などが起こります。もしこれらが確認された場合は、一度、病院での検査を勧めてください。ちなみに、この頭位での、めまい、眼振、吐き気は良性発作性頭位めまい症(BPPV)でも起こりますが、眼振の起こる方向で見分けることが出来ます(これについては、ここでは書きません)。

馬尾症候群

脊髄の下部は、馬の尻尾の様に神経が束になっていて、この部分を馬尾と言います。この神経の束が障害されて発症します。症状は下肢の痛みやしびれ、麻痺、運動障害、性機能障害、腸や膀胱の機能喪失(尿・便失禁)など。

病院へ。一刻も早く障害部位の減圧をする必要があります。発症から48時間以内に減圧できなかった場合、後遺症が残るリスクが高くなるそうです。

まとめ

禁忌症に対しての施術は、クライアントの体を壊してしまい、取り返しのつかない事故を起こす可能性があります。禁忌症を知っておくことは、クライアントのためではなくセラピストとしての仕事を続けていくために必要な知識です。腰痛だから、頭痛だから、と安易に考えないように注意して検査、施術を行うことが大切です。

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