めまいの原因を探る(症例)1~2。大和市中央林間の整体

神経障害

めまいは様々な理由で起こりますが、腫瘍による神経への障害や血管障害、耳石の問題など解剖学的な異常が無い場合は、体が感じている感覚と目からの視覚情報が一致していないことで発症することが多くあります。

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70代男性のめまいの場合

本人の訴え:

発症したのは5、6年ほど前。めまいが起こるとフラフラして倒れてしまうことがある。本人は酔っぱらったように真っ直ぐ立っていられなくなる、と言います。耳鳴りや難聴、頭痛、嘔吐などはないが、めまい発症時、物が二重に見えたりすることがある。自転車に乗っている時にめまいが起こり、転倒したことがある。庭仕事などで体を動かした後は高い確率でめまいが起きる。数分間、横になってジッとしていると治まる。発症頻度は週に1回ほどで、多い時は何日も連続して起こる。

耳鼻咽喉科、大学病院などで検査を受けるがハッキリとした原因は特定できず、薬だけ処方されるが現在まで改善はしていない。本人は、血圧の薬などいくつもの薬を飲んでいるので、その影響ではないかと疑っている。

検査・考察:

  • 病院で詳しく検査しているので、腫瘍や血管障害の可能性は低い。
  • 難聴や耳鳴りがなく、めまいも回転性ではないためメニエール病の可能性は低い。
  • 頭部を動かしてもらったが、めまいが起こらないので良性発作性頭位めまい症の可能性は低い。

以上のことから、なにか物理的な原因が存在する可能性は限りなく低いと考えました。そうなると、平衡感覚に関わる神経や筋肉の「機能的」な問題の可能性が高いことになります。ただ、まだ薬事性の可能性は捨てきれていません。検査は、脳や脳神経の機能、三半規管、筋肉の固有受容器に対して行いました。すると、検査結果の多くで左小脳の機能に問題が見られました。特に、立位時に左方向への動揺や、左上をジッと見続ける(固視)ことが出来ない(すぐに眼球が真中に戻ろうとしてしまう)というのが顕著に出ていました。

以上より、左小脳の機能の問題がめまいを起こしている可能性が高いと考えました。

施術とエクササイズ:

左側の小脳に刺激を入れるために、体の一部を、自動(本人が動かす)及び他動(私が動かす)で動かしたり、ある部分を打腱器で叩いたりしたのと、首の筋肉と関節を調整を行いました。その後、最初に顕著に出ていた、立位時の動揺と左上の固視を再検査したところ改善が見られました。この方は、目の動きに問題が見られたため、眼球運動のエクササイズを毎日行うように指導しました。

経過:

1週間後にお越しいただき、経過を聞いたところ、めまいはまだ出ていないと言います。庭作業も行ったそうですが、めまいは出ていません。立位時の動揺と眼の動きをチェックしましたが、以前のように問題は出ていませんでした。1ヶ月後、めまいは出ていない。立位時の動揺と眼の動きも問題なし。2ヶ月後もめまいは出ていないので、これで終了。

60代女性のめまいの場合

本人の訴え:

8か月前に初めてめまいが起きた。寝ていても、左へ寝がえりをうつとめまいで目が覚めてしまう。耳鼻咽喉科を受診し良性発作性頭位めまい症(BPPV)と診断される。そこで、めまいを改善させるためのエクササイズが書かれたプリントを貰い、自宅で行うように言われる。言われた通りにエクササイズを行うと、めまいが強く起こるので怖くて止めてしまった。整体や鍼灸院へも行ったが大きな変化は出ていない。ただ、時間の経過とともに少しずつ良くなってきているように感じている。

良性発作性頭位めまい症(BPPV):

耳の奥の内耳と言われる所にある三半規管に、卵形嚢(三半規管の交わる部分)から剥がれ落ちた耳石が迷い込み、頭を動かす際にその耳石が三半規管を刺激してしまうことで、めまいが起こります。主な原因は老化や頭への衝撃(サッカー選手がヘディングを繰り返すことで発症することも少なくない)など。

問診・検査・考察:

お話を伺っていると、やはり病院で診断された通りBPPVの可能性が高いように思いました。そこで実際にBPPVかどうか確認するための検査を行いました。首を大きく回していくと、頭を左後へ倒したときに必ずめまいが起こります。この時に眼振が起こります。眼振の起こり方は、耳石が三半規管のどの位置入り込んでいるかによって異なります(椎骨動脈の狭窄などでも眼振が起こるので、眼振の方向がとても重要)。めまいが起こる頭部の位置と眼振の動きから、三半規管の一部である左後半規管に耳石が入り込んでいるBPPVであることが確認できました。

施術:

施術は病院で渡されたエクササイズを行います。エプレイ法(エプリー法)というものですが、これを行う際は必ずめまいが起こりますが、それでも続ける必要があることをクライアントさんによく説明し、理解してもらったうえで行いました。エプレイ法を1回行った後、もう一度左上を向くような動作をして確認しましたが、めまいは起こらなくなっていました。(この時は、めまいが無くなったか確認をしましたが、現在はこの確認は行わず、24時間、出来る限りリクライニング式などのソファーで休むようにしてもらい、完全に体を横にしないように注意するように指導しています。これは、すぐに頭を横にしたりすることで、再び耳石が三半規管に入り込まないようにするためです。この方の場合は、確認の際に頭を動かしてしまいましたが、運良く、耳石が再び三半規管に迷い込むことはありませんでした。)

経過:

4日後にお越しいただき確認すると、その後めまいは起きていないそうです。本来、病院でエプレイ法を行えば良かったのですが、なぜかそこでは行わず、エプレイ法の最中には必ずめまいが起こると言うような説明も受けていなかったことが、いつまでも症状が続いてしまうことに繋がってしまいました。

エプレイ法を行う場合は、耳石が入り込んでいる場所によってやり方が異なりますので、必ず専門の知識のある人に見てもらい、そこで行うか、しっかりと指導を受けてから行ってください。また、めまいが出ることでエプレイ法の最中に嘔吐する場合もあります(それでも続けます)ので、ちゃんとした指導のもと行ってください。